ビットコイン・インスティテュート

暗号無政府主義者宣言

万国のサイファーパンクよ、

昨日シリコンバレーで開かれた「対面のサイファーパンク」の集まりで、何人かから、会合で配った資料をもっと電子版でも出して、サイファーパンクのメーリングリストの読者全員が読めるようにしてほしいと頼まれた。スパイや盗聴者も含めて、全員にだ。<ゴクリ>

以下は、1992年9月の発足会合で私が読み上げた「暗号無政府主義者宣言」だ。書いたのは1988年の半ばで、その年の「Crypto ‘88」会議で志を同じくするテクノ・アナーキストたちに配り、同じ年の「Hackers Conference」でも再び配った。その後、1989年と1990年のHackersでも、この宣言について講演している。

変えたいところもいくつかあるが、歴史的な経緯を考えてそのままにしておく。見慣れない用語もあるかもしれない……先ほど配った暗号用語集が役に立てばいい。

(これで、私の署名欄に並んでいる謎めいた用語の意味も分かるはずだ!)

—Tim May

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暗号無政府主義者宣言

ティモシー・C・メイ
tcmay@netcom.com

現代世界に妖怪が取り憑いている。暗号無政府主義という妖怪だ。

コンピューター技術は、個人や集団が互いにまったく匿名のまま通信し、やり取りできる段階に差しかかっている。二人の人間が、相手の真の名前、つまり法的な身元を一度も知ることなく、メッセージを交わし、商売をし、電子契約を交渉できるようになる。ネットワーク上のやり取りは追跡できなくなる。暗号化したパケットを幾重にも迂回させ、暗号プロトコルを組み込んだ改ざん防止の箱が、あらゆる改ざんをほぼ完全に防ぐからだ。評判は決定的な重みを持ち、取引の場では今日の信用格付けよりもはるかに重要になる。こうした発展は、政府による規制のあり方、経済活動に課税し統制する力、情報を秘密にしておく力を根本から変え、信頼と評判のあり方までも変えてしまうだろう。

この革命を支える技術は、この十年、理論の上ではすでに存在していた。これは間違いなく、社会の革命であると同時に経済の革命にもなる。その手法の基礎にあるのは、公開鍵暗号、ゼロ知識対話型証明、そして対話・認証・検証のためのさまざまなソフトウェアプロトコルである。これまで焦点は欧米の学術会議にとどまっており、そうした会議は国家安全保障局に綿密に監視されてきた。しかし、こうした考えを実用化できるほどの速さをコンピューターネットワークとパソコンが手にしたのは、つい最近のことだ。そして次の十年で速さはさらに増し、これらの考えは経済的にも成り立ち、事実上もう止められなくなる。高速ネットワーク、ISDN、改ざん防止の箱、スマートカード、衛星、Kuバンドの送信機、数MIPSのパソコン、そして開発中の暗号チップが、それを可能にする技術の一部になるだろう。

国家は当然、この技術の普及を遅らせ、あるいは止めようとするだろう。持ち出す理由は、国家安全保障上の懸念、麻薬密売人や脱税者による悪用、そして社会の崩壊への恐れである。その懸念の多くはもっともだ。暗号無政府主義のもとでは国家機密が自由に売買され、不正な品や盗品も取引されるようになる。匿名のコンピューター市場は、暗殺や恐喝のためのおぞましい市場さえ可能にする。犯罪者や外国勢力のさまざまな者たちが、CryptoNetの積極的な利用者になるだろう。それでも、暗号無政府主義の広がりは止まらない。

印刷技術が中世のギルドと社会の権力構造を変え、その力を弱めたように、暗号の手法は、企業のあり方と、経済取引への政府の介入のあり方を根本から変えるだろう。台頭しつつある情報市場と結びつけば、暗号無政府主義は、言葉と絵にできるあらゆるものに流動的な市場を生み出す。そして、有刺鉄線という一見ささいな発明が広大な牧場や農場の囲い込みを可能にし、西部開拓地における土地と所有権の概念を永遠に変えてしまったように、数学の難解な一分野から生まれた一見ささいな発見が、知的財産を囲う有刺鉄線を断ち切るワイヤーカッターになるだろう。

立ち上がれ。失うものは、有刺鉄線の柵のほかに何もない!

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Timothy C. May | Crypto Anarchy: encryption, digital money,
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