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Blacknet worries

先週、デトワイラーが手当たり次第に投稿してまわって以来、ティムのBlacknetの話には大きな反応が集まっている。よくできた文章だと思うが、十分に強調されていないと思う点が一つある。

BlackNetの投稿(1993年8月19日04:35 UTC)

BlackNetは現在、情報の在庫を積み増しているところです。次の分野の情報に関心がありますが、ほかにもおいしい話があればいつでも歓迎します。「価値があると思ったら、まずこちらに持ちかけてください」。

  • 企業秘密、工程、製法(とくに半導体)
  • ナノテクノロジーと関連技術(とくにマークルのスリーブ軸受)
  • 化学品の製造と合理的な薬剤設計(とくにフラーレンとタンパク質の折りたたみ)
  • 子どものおもちゃから巡航ミサイルまで、新製品の計画(「3DO」について何か?)
  • 企業の情報、合併、買収、うわさ

目立って抜けているのは、ついでに触れられているだけの軍事の情報だ。

職場の友人によれば、史上もっとも秘密にされた計画の一つであるはずのマンハッタン計画で、ソ連は少なくとも6人の工作員から情報を得ていた。そのうち3人は後に特定された。KGBは、まだ見つかっていない者がほかに3人いると言っているが、それが誰かは明かさない。

(もちろん、これにはKGBの自慢や偽情報が混じっているかもしれない。ただ、見つかった3人は確認されているらしい。)

企業の秘密や製造の技術を秘密にしておくのは、まだいい。だが政府の立場から見れば、Blacknetの世界は軍事機密を守るうえで、まったくの破局になりうる。政府は社会の資源の大きな部分を使っているのに、その職は給料が高くない傾向がある。民間で同じくらいの責任を負う仕事と比べれば、なおさらだ。秘密を売って金にしたいという誘惑は、ほとんど誰にでもあるはずだ。だがその誘惑は、実際の困難の大きさと釣り合っている。相手と接触し、受け渡しを手配し、おとり捜査に引っかかる危険がある。

Blacknetは、その危険の大半を取り除きうる。ほぼ完全な匿名性とデジタルマネーがあれば、機密情報に触れられる者なら誰でも、ちょっとした副収入を得られる。危ない対面の接触は要らない。その金は、足がつく心配をせずに、暮らしを少し楽にするぜいたくに使える。

そうした誘惑に屈する者は、どれくらいいるだろう。人は身元の審査を受け、それに通る者はおおむね正直なのだろう。だが人間であり、金は強い動機になる。とくに、自分が売らなくても誰かが売ると考えれば、誘惑はいっそう強くなる。

対抗策はありうる。頻繁なうそ発見器の検査(『スノウ・クラッシュ』のように)、文書に「指紋」を付けて一人ひとりが少しずつ違う写しを持つようにし、おとり捜査で犯人を特定すること、ことによると本物の買い取りの申し出を偽物で埋め尽くすこと(事実上のサービス妨害攻撃だ)。だが、どれも本当に問題を解決できそうにはない。

政府を本当に怖がらせているのは、おそらくこの問題だ。バーロウがWiredの記事で書いているように、政府にいる彼の友人たちを自由な暗号に反対させた問題でもある(「私の知っていることを知れば、きみも反対するだろう」)。とくにNSAは、『パズル・パレス』に詳しく書かれているとおり、昔からこの問題に病的なほど神経をとがらせている。表向きの任務とは裏腹に、NSAは他人の秘密を暴くことより、自分の秘密を守ることに熱心に見えることがある。自分たちの人間が寝返りやすくなる技術なら何であれ、命取りの脅威とみなされ、あらゆる手段で戦う相手になるだろう。軍の情報機関のほかの組織も、同じように感じるはずだ。

マンハッタン計画のころにBlacknetがあったら、関わった者を買収するのがどれほど楽だったか、想像してみてほしい。これは政府にとって悪夢に違いない。そして政府は、それと戦う中で、プライバシーを擁護する側にとっての悪夢を作り出すと決めているように見える。

Hal Finney hfinney@shell.portal.com