アダム・バックは翌日に返信し、サトシが起草した Hashcash の引用形式は問題ないと確認したうえで、関連先行研究としてウェイ・ダイの b-money 提案を紹介した。次のサトシの行動を決定づけた中核的な一文は次の通りである。
b-moneyのアイデアは彼のウェブページに簡潔に書かれているだけで、論文としてはまとまっていない。
査読論文ではなくウェブページが指し示されたことで、サトシは引用年の確定をウェイ・ダイ本人に直接問い合わせる必要が生じた(2008年8月22日サトシ → ウェイ・ダイ)。同日中にサトシはバック宛にも b-money の紹介に対する返信を書いている(メールチェーンの 3 通目)。
ホワイトペーパー公開の 2 か月前にアダム・バックがサトシに b-money を紹介したという事実は、サイファーパンクからの独立した到達についての分析を支える一次資料の一つである。サトシはサイファーパンクのコミュニティに事前に深く関与することなく設計空間に到達し、b-money の存在もこの紹介によって初めて知った。