[原理的にはエネルギーを消費しない、可逆な計算を使う提案は省略。]
ここで話されている問題には、コンピューター科学の部分と経済の部分のあいだに矛盾がある。デジタルのコインに価値を与えるのは、まさに、それを作るのに現実の世界での何らかの出費がかかることだ。
「デジタルのコイン」をどう定義するかによる。
すべてのコインを、発行者の持つオンラインの基盤と照らして二重支払いを確かめる別の設計なら、この制約はない。性質は違ってくるが。たとえば、匿名性は、発行者があなたが持っていると知っているコインを、発行者が知らないコインに交換する、mixmasterのようなネットワークを信頼することにかかってくるかもしれない。だが、そうなると匿名性はまったく実用的でなくなるかもしれない。とはいえ、POWのコインだって、どれほど実用的なのか?
たいていの経済の正規の部門にいるほとんどの人は、ほとんどの場合、デジタルのクレジットカードや銀行カードで喜んで暮らし、デジタルのコインなんてどうでもいいと思うのではないか。
ジェリー・ライクターでは、トークンの費用を電力にどう結びつけるのか? 不思議なことに、そういうものはすでに提案されている。CPUはどんどん速く、どんどん並列になっているが、メモリーは途方もなく大きくなっていても、それほど速くはなっていない、という指摘がある(残念ながら出典は手元にない)。そこで、私が読んだ論文が提案していたのは、CPUの秒数ではなく、メモリーの読み書きで高くつくハッシュ関数だ。メモリーへの書き込みは本質的に不可逆なので、本質的に電力を食う。メモリーへの書き込みの多いアルゴリズムは、電力を使うアルゴリズムでもある。
うまい!
ニコ