ビットコイン・インスティテュート

取引は​どうやって​共有台帳に​なるのか

台帳のページが連なるブロックのチェーンへと広がっていく様子。傍らに小さな接続ネットワークの図がある

世界中の何千台ものコンピューターがそれぞれ自分の写しを持っている、共有の帳面を思い浮かべてほしい。それでも、写しどうしの中身の食い違いが長く続くことはない。原本を持つ特定のコンピューターはなく、誰でもページの追加を提案でき、写しを持つどのコンピューターも、それを検証してから自分の写しに取り込む。この帳面こそがビットコインの実体だ。前のページでは、そのページに何が書かれるか、つまり手渡されるレシートを扱った。このページでは帳面そのもの、つまりどのコンピューターがそれを持ち、誰がそのコンピューターを動かしているのか、写しどうしが食い違わないようにしているものは何かを扱う。

何千という独立した写し

誰でも、普通のコンピューターでビットコインのソフトウェアを動かせる。それを動かしている各コンピューターをノードと呼ぶ。ノードは中央のサーバーを経由せず、互いに直接やり取りし、聞きつけた新しい情報をそのまま隣へ伝えていく。人から人へ広まるうわさ話に近く、掲示板を介した告知とは違う。この、仲介者を挟まない直接方式のネットワークには名前がある。ピアツーピア、略してP2Pだ。このうわさ話が実際に流れる土台を扱うのが設計文書のページである。

どのノードも、自分自身の写しを使って、新しいページが加わるたびに同じルールへ照らして独立に検証してから受け入れる。他のどのノードも信用する必要はない。それぞれが自分自身で検証しているからだ。

写しを持っているのは誰か

帳面の写しがあるのは、人の手元ではなく、コンピューターの中だ。そのコンピューターは誰かが用意しなければならない。では、誰が、なぜ用意するのか。

  • 誰でも用意できて、報酬はない。ノードを動かすには、数百ギガバイトのディスク(古いページを捨てる軽い動かし方なら約10ギガバイト)と、つなぎっぱなしのインターネットが要る。それでも新しいビットコインは一枚も入ってこない。新しいビットコインは、次のページを追加した者だけに入る。それが次のページの話で、今は専用の機械が要るので、ノードは普通、ページを追加しようとはせず確かめるだけだ。
  • それでも動かす人がいる。自分のノードがあれば、他人のコンピューターを信用せずに、自分のお金をルールに照らして確かめられる。どのアドレスが自分のものかを、他人に知られずに済む。支払いを受ける事業者も、同じ理由で自分のノードを動かす。データセンターで借りたサーバーで動くノードもあれば、誰かの家の小さな箱で動くノードもある。
  • ビットコインを持つのに、ノードは要らない。ノードを動かさないスマートフォンのウォレットは、自分のアドレスについて他人のノードに尋ねる。取引所に置いたままのコインは、取引所自身の帳簿の中にある。そのほうが手軽で、そのかわり、そのノードや取引所を動かしている誰かを信用することになる。
  • 帳面は誰でも読める。ノードの写しを読むウェブサイトでは、誰でも、これまでのどのページも、どの支払いも調べられる。そこに出てくるのはアドレスと金額で、名前ではない。

この役割がサトシの予想からどうずれてきたか、今のノードが数字でどう見えるかは、ビットコインのノードは誰が、なぜ動かしているのかでたどっている。

こっそり書き換えられないページ

新しい取引は、帳面に1件ずつ書き込まれるわけではない。ある程度まとめて束にされ、その束をブロックと呼ぶ。新しいブロックはおよそ10分に1回追加される。

では、誰かが40ページ目にこっそり戻って内容を書き換える、といったことは何が防いでいるのか。各ブロックには、ブロックの中身全体から計算される短い指紋、ハッシュが付いている。ブロックの中身をたった1文字変えるだけで、指紋はまったく別物になる。中身を変えながら同じ指紋を保つ方法はなく、指紋から中身を逆算する方法もない。

ページ同士を実際に鎖状に結びつけているのはここからだ。どのブロックも、自分自身の中に直前のブロックの指紋を保存している。古いページの何かを変えれば、そのページの指紋が変わる。すると、次のページが「このはずだ」と記録していた指紋と一致しなくなり、次のページも壊れる。そのまた次のページも同様で、今日まで全部が壊れる。ここでは歴史をこっそり書き換えることは単に難しいのではなく、書き換えれば即座に見える構造になっている。

ブロック 0

最初のブロック

ブロック 1

ブロック 0 の指紋を保存

ブロック 2

ブロック 1 の指紋を保存

ブロック 3

ブロック 2 の指紋を保存

... 今日まで続く

その最初のページは、ジェネシスブロックと呼ばれる。それより前には何もないので、通常のやり方で追加するのではなく、存在そのものを特別扱いして作らざるを得なかった唯一のブロックだ。それ以降のすべては、その上に途切れることなく鎖状に積み上げられてきた。ブロックチェーンという語はここから来ている。ブロックの鎖であり、1つ1つが直前のブロックに固定されている。

こうして、どのノードも同じチェーンで一致することになる。ページ単位で検証され、あとからこっそり編集することはできない。それでも、まだ答えていないことが一つある。次のページを追加できるのは実際には誰で、なぜわざわざそんなことをするのか。次のページがその答えだ。

参照元の外部ソース

https://bitcoin.org/bitcoin.pdf