ピーター・トッドの BitcoinTalk 初投稿:Diaspora 招待状の購入

招待1つ、2ドルで買う。DMで。

ピーター・トッドの BitcoinTalk での最初の投稿。9 語。2010年12月7日午前 9時14分28秒——ユーザー名「retep」(Peter の逆綴り)で登録してから 41秒後 に投稿された。

文脈:

このスレッドは Diaspora の招待状マーケットプレイスだった。Diaspora は 2010年に Facebook のプライバシー重視の代替として立ち上げられたオープンソースの分散型 SNS で、当時は招待制だった。BitcoinTalk の Marketplace 板で招待状が売買されていた。

スレッド内の他の購入者は 1 招待あたり 0.5〜2 BTC を提示していた。トッドは 2 ドル——Bitcoin フォーラム上で法定通貨の価格を提示した。これが BTC 価格への不慣れを反映しているのか、意図的な選択なのか、あるいは他の何かなのかは分からない。

文体:

投稿は極限まで簡潔。主語なし(“I”省略)、省略語(“msg”)、個性ゼロ。クラシファイド広告のような文体——文体的な指紋を一切残さないよう設計されたテキストに読める。自虐的ユーモア、粗野な表現、カジュアルと技術の混在を特徴とするトッドの後年の文体とも、抑制的で精密なサトシの文体とも異なる。この投稿は どちらでもない

時系列の意味:

  • 12月7日 09:13:47 — アカウント「retep」登録
  • 12月7日 09:14:28 — 最初の投稿(この Diaspora 招待リクエスト)—— 41秒後
  • 12月10日 01:27:59 — 2番目の投稿(サトシのトランザクション置換への返信)
  • 12月12日 — サトシの最後の公開投稿

登録から最初の投稿まで 41秒。メッセージは事前に用意されていたか、あるいはアカウントはこの投稿のためだけに作られたことを示唆している。

アカウント名の変更:

「retep」というユーザー名は、数年後にトッド自身の依頼により「Peter Todd」に変更された(BitcoinTalk ではユーザー名変更は管理者への依頼が必要)。変更の正確な時期は不明だが、トッドが Bitcoin Core への貢献を本格化した 2012〜2013年頃と推定される。retep が Peter の逆綴りであることに当時気づいた者はほとんどいなかった。Bitcoin Core 開発者のグレゴリー・マクスウェルは 2024年10月に Hacker News で「retep が peter の逆だと気づくのに 10年近くかかった」と述べている。トッド本人は 2024 年の Bloomberg インタビューで、2010 年 12 月の投稿時点で「retep」 は実名と紐づいておらず公の側からは無名であった、もしサトシに紐づくアカウントから誤投稿したのであれば普通はアカウント自体を破棄するはずで、数年後に実名へ改称する動きとは整合しない、と論じ HBO 説への反論材料とした。(Bloomberg の元記事は有料の壁の向こうにあり公開ミラーが取れないため、ここでは逐語的な引用ではなく公開要約に基づく地の文で記述している。)